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防災

「災害時、子どもの命を守れるママになろう」防災ママかきつばた

今このときに、巨大地震が起こったら

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「もしも今このときに震度7の地震が起こったら、あなたはどうしますか?」その問いかけに、会場全体からはすうっと息を呑んだ気配がしました。

ここは、愛知県安城市の桜井公民館。児童センターを併設する市内の5公民館が定期的に開催している「乳幼児教室」のひとコマです。「今、このときに」。その問いかけに、会場を埋めた約20人のママさんたちの心は、一瞬にして、隣室の託児スペースなどにいる我が子のもとへ飛んだようでした。

「お母さんがいるから大丈夫」と。

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乳幼児の母親に、防災について知ってもらおうと開催された、この日の教室。企画したのは、知立市を拠点に活動する「防災ママかきつばた」です。自分たちと同じ乳幼児のママを対象に、セミナーやイベントを通じて防災啓発を行っています。

活動に込める思いは、冒頭、会場のママさんたちに告げられました。子どもは、どんなに周りがパニックに陥っていても、目の前のママが落ち着いてさえいれば、平気でいられるものだと。だから、その時に備えて。「『お母さんがいるから大丈夫だよ』と言える母親になりましょう」。

命を守るために、今できることを

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わが子を守りながら家屋の下敷きになり、しかし、子どもとともに命を落としてしまった母親。津波に呑みこまれてしまった子ども――東日本大震災の"リアル"を知り、会の代表の高木一恵さんは活動を始めました。防災について、多くのママたちと共有しようと。

「どうしようもないこともあるかもしれませんが、今できることを少しでもして、災害に備えたいです」。そのひとつが、安全な家づくり。この日のセミナーでも、あいち防災リーダーによる、家具の固定の仕方やガラス飛散防止フィルムの貼り方講座が行なわれました。

ママならではのアイデア満載

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こちらは、非常用持ち出し袋に入れておくものをゲーム形式で学べるカード。「子どもの着替え350g」とか「ベビーフード110g」、「新聞紙180g」などと記されています。

なるほど、他にも、家庭によっては「大人用紙おむつ」や「ぬいぐるみ」も要りますね。「生理用品」「虫よけスプレー」「油性マーカー」など、ママさんならではの着眼点で家族や自分の事情に即して必要なものを考えます。一般的な非常用持ち出し袋には入っていないようなものばかり。非常用持ち出し袋を買っただけでは、安心していられません。

子どもは我慢できない

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選んだ物の重さを集計して、その重さを水入りペットボトルの入ったリュックで実感します。かなり厳選しているのに、重い。「これを背負って、子どもを抱えて、走れるのか...。」

被災生活をおくる中で、大人ならば我慢できることも乳幼児にはできない。それも、高木さんたちが実感した被災地の現実です。

配布された非常食、家とは違うトイレ...。わが子が嫌わず食べてくれる非常食、何とか快適に暮らすための工夫、それらを把握し準備しておくことは、一朝一夕ではできません。持ち出し袋の中身は、家庭それぞれ人それぞれ。ゲームは、具体的に何を備えるべきか、ママたちに楽しく伝えてくれました。

ママになって、防災の必要性を実感

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ここで、メンバーで防災士の北島あやさんが、こんなお役立ち情報を教えてくれました。「1.いつも持っておく防災グッズ。2.避難所に持っていく1泊分の非常持ち出し品。3.家での避難生活や避難所から取りに帰る備蓄品。この3つに分けて備えることをお勧めします」。

ちなみに、北島さん、ママになってから勉強し防災士の資格を取りました。そこにはこんな思いが。「この子を守れるのは私だけだけど、私に何かあったらどうしよう。ひとりじゃ子どもたちを守れないなら、頼れる人間を作らないと」。

増やしたい、防災ママ

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長期保存できる缶詰タイプのパンやケーキも、最近は、子どもにもあうような味付けのものも出ているとか。

「防災ママかきつばた」では、ママも使いやすい防災啓発品の企画開発もしていて、現在は、乳幼児親子のための地震防災絵本を制作中。さらには、「非常食DEピクニック」「防災BBQ」なんていう楽しい企画も行っています。

震災から日にちが経つにつれ防災意識は薄まりますが、一方で地震リスクは高まります。大事なのは、防災への関心を消さないこと。いつか来るその日に備え、子どもの命を守れる"防災ママ"を増やすために、今日もママたちは奮闘しています!(取材:羽原幸子)

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