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特集

Vol.4「地域住民一人ひとりの協力が大切。コロナ禍の避難所運営」シリーズ コロナ禍をこの地域で生きる

地震、そして台風や豪雨などあらゆる災害時に必要となる避難所。新型コロナウイルス感染の影響もあり、災害時の避難所開設に、さまざまな課題が指摘されています。そんななか、全国の災害ボランティア団体を結ぶJVOADが「新型コロナウイルス避難生活お役立ちサポートブック」を公開。

今回は、サポートブックを通して見えた、コロナ禍での避難所の在り方、対策方法などについて探ります。

新型コロナの影響による、避難所開設の課題

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全国の災害ボランティア団体を結ぶJVOADが公開した「新型コロナウイルス避難生活お役立ちサポートブック」。感染を防ぐために避難所生活で注意すべきポイントが、わかりやすくまとめられています。特筆すべきは、感染者と健康な人の流れを分けるゾーニングです。

サポートブックの編集で中心的な役割を担った名古屋市のNPO法人レスキューストックヤードの浦野愛さんは「知っていれば誰でもできる対策を中心に盛り込みました」といいます。また、対策の全てを避難所運営に関わる1人が担うのは無理なため、複数人で分担し協力して取り組むのが大切だとも教えてくれました。

「新型コロナウイルス避難生活お役立ちサポートブック」掲載ページ

避難所に指定されている学校の体育館の状況

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これまでの避難所運営について、西三河6市の状況を調べてみました。現在、高浜市と知立市、西尾市は、障がい者や高齢者など、要配慮者に体育館だけではなく、一部教室の使用を認めています。

しかし、刈谷市、安城市、碧南市は体育館以外の使用を認めていません。知立市安心安全課の秋月英樹さんは「元々、避難所には小中学校の体育館が指定されていますが、それだけでは足りません」と語ります。そこで体育館に加え、校舎の一部も使えるよう、教育委員会や学校に協力を仰ぎ、レイアウトを考えてもらったそうです。(2020年6月時点)

コロナ禍での避難所運営を体験

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今回、一色防災ネットワークのみなさんに協力してもらい、サポートブックで紹介されている避難所の受付の流れを体験してもらいました。

サポートブックで紹介されている手作りの感染予防着を実際に作って、運避難所運営スタッフが身に着けます。さらに、非接触型の温度計を用意したり、避難所登録の記入項目を、所属する町内会名と本人の氏名、そして性別の3項目に限定したりして、受付時間の短縮を図りしました。

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実際に時間を測ってみると、登録票の記入に1人あたり30秒近くかかりました。さらに、避難者が2mずつ間をあけて並んだ結果、受付の前には行列ができ、一部の人が建物の外で待つ状態に。一色防災ネットワークの久保田芳道代表は「もし雨が降ったら、濡れながら待つことになってしまう」と危惧します。

今回の体験を通じ、新型コロナウイルス対策下での避難所運営では、受付を入り口の近くにしすぎないことや、受付の場所を増やすなどの工夫が必要だとわかりました。

コロナ禍の避難所では地域住民の協力が必要

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レスキューストックヤードの浦野さんは、受付ではまず、後日連絡がとれるように、避難者の氏名を把握すること、そして健康状態をチェックして避難所内でのゾーン分けをすることが大切だといいます。

そのためには、受付を複数設置し、並んでいる人に声をかけられるスタッフがいるといいそうです。しかし、これを実践しようとすると、行政のスタッフだけでは到底人手が足りません。また、県外からのボランティアを受け入れることが難しいため、避難所の運営やその他の業務に関わる応援者も確保できません。感染を予防しながら避難所を開設するには、地域住民の協力が必要だといいます。

災害に見舞われたとき、どうしますか?

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こうした状況のなか、刈谷市はコロナ禍での避難について市民に呼びかけを始めています。刈谷市危機管理課の藤井紀之さんは「可能であれば『在宅避難』が選択できるよう、自宅にとどまれる準備をしてほしい」といいます。

自宅のある場所が危険な場合には、安全な親戚宅や知人宅に身をよせる「分散避難」ができれば、体育館に比べて感染リスクは分散できます。また万が一、避難所に行く場合には、マスクや消毒液、体温計など、必要なものはできるだけ自分で用意してほしいと藤井さんは語りました。

災害に見舞われたとき、あなたなら今どうしますか?

(取材・撮影:オフィスげんぞう/文:石川玲子/2020年6月取材)

NPO法人レスキューストックヤード

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これまで30か所を越える被災地域での支援経験を活かし、住民主体の復興を目指して息の長い支援に取り組んでいる愛知県名古屋市にある認定NPO法人。

場所:愛知県名古屋市東区泉1-13-34 名建協2階

TEL:052-253-7550

HP:「NPO法人レスキューストックヤード」ホームページ

「シリーズ・コロナ禍をこの地域で生きる」は、キャッチの番組でも放送中!

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番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ・ コロナ禍をこの地域で生きる」では、医療・教育、企業などに従事するこの地域の人々の声から、コロナ禍の時代をどう生きるのか、そのヒントを探ります。

詳しくは、KATCH番組紹介ページ・特集「地域の今」をご覧ください。

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