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特集

食べられる食器で脱プラスチックに貢献!碧南・丸繁製菓|シリーズ 未来へつなぐSDGsの輪 Vol.3

コンビニエンスストアやスーパーでお弁当やお惣菜を買う機会も増えるなか、食べ終わった後に残るのは、たくさんのプラスチックのゴミ。昨今、世界的にプラスチックごみの問題が議論され、日本でもレジ袋の有料化など、使い捨てのプラスチックを減らす取り組みが進められています。

この脱プラスチックの動きに早くから取り組んでいるのが碧南市に本社を置く丸繁製菓です。「食べられる食器」を開発しました。今回は脱プラスチックに繋がる丸繁製菓の食べられる食器と、その広がりを取材しました。

加速化する脱プラスチック

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2022年にプラスチックを使った12品目が有料化になる「プラスチック資源循環促進法」が施行されるなか、ここ数年で脱プラスチックの動きはますます加速しています。

プラスチックごみが国際的な問題となったきっかけのひとつが海洋汚染。海岸や海には多くのプラスチックごみが散乱し、ごみは自然に帰ることはなく、海の生き物への影響は計り知れません。すでに、ウミガメや魚などへの被害も出ています。

さらに、プラスチックごみは、燃やせば温室効果ガスの主成分である二酸化炭素が排出され、地球温暖化にもつながります。地球環境をこれ以上悪化させないためにも、私たちにできる取り組みが脱プラなのです。

時代に先駆け、脱プラに貢献する碧南市の会社

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そんななか、さかのぼること10年、すでに脱プラに取り組んでいた企業があります。碧南市の「丸繁製菓」です。もともとは、アイスクリームのもなかの皮を製造している会社ですが、2011年にプラスチックごみの削減を目指し、食べられる食器を開発しました。

世界中でプラスチックごみ問題の解決が急務となったいま、大手の飲料メーカーと丸繁製菓が共同開発した商品が発売されるなど、食べられる食器は再び注目を集めています。

開発のきっかけは、グルメイベントのゴミ

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脱プラを目指し、食べられる食器を製造販売している丸繁製菓。そのラインナップには形や味が違うトレー、食べられるお箸、企業とタイアップして開発した食べられるコップもあります。

食べられる食器を作るようになったのは、丸繁製菓の榊原勝彦専務の、ある体験がきっかけでした。
「グルメ関係のイベント会場で山のように積まれたプラスチック容器のゴミの山を見て、これをどうにかできないかと考えました」と、榊原さん。アイスのもなかでは耐水性や強度など弱点もあるため、そこを改良すれば容器として使えるのではと考え、開発を始めたそうです。

地元の特産品が「食べられる食器」のヒントに

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しかし、開発はすぐには思うようにいきませんでした。耐水性や強度を強くするため、配合を変えるなどして日々研究を続けましたが、成功には至りませんでした。

そんな時、榊原さんが注目したのが、地元の特産品「えびせんべい」です。アイスもなかの皮より耐水性も強度もあり、食べられる食器にぴったりだったのです。そして、えびせんべいの原料である馬鈴薯でんぷんを使用した、食べられる食器の開発が始まりました。「えびせんべいを、どう容器状に改良するか研究が必要でした」と開発の苦労を語る榊原さん。そして2年の構想を経て2011年、食べられるトレーが完成しました。

脱プラの動きとともに需要高まる

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さらにここ数年の大手コーヒーチェーンの紙製ストローへの転換や、レジ袋の有料化などをきっかけに、丸繁製菓の「食べられるトレー」は、さらに需要が高まってきています。そしてトレーだけでなく、その技術を活用した様々な商品も開発されています。

そのうちの一つ、食べられるコップ「もぐカップ」は、アサヒビールからの依頼で共同開発した製品です。楽しみながらプラごみの削減に取り組んでほしいという願いから作られ、一般販売もされていて誰もが購入することができます。

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また、食べられるスプーン「PACOON(パクーン)」は、刈谷市にある社員食堂などを運営する会社、勤労食の依頼で開発したものです。クッキー生地で作られていて、おやつ感覚で食べられます。勤労食が運営する安城市役所の食堂では、週に1回、デザートにPACOONを添えて提供されています。管理栄養士が監修にあたり、国産野菜の粉末がたっぷり、味にもこだわって作られています。

導入した理由について、勤労食の濱崎佳寿子常務取締役は、「食べられるスプーンを使ったことで環境問題について考えてもらうきっかけにしてもらえれば」と話していました。

楽しく取り組める脱プラで環境への意識を高める

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脱プラを目指し開発された丸繁製菓の食べられる食器。今後は家庭での利用を考えた商品も開発していくといいます。「企業だけではなく一般家庭でも使ってもらえるように、レンジにも対応した宅食用の商品も開発しています」と榊原さん。

便利を知った私たちにとって脱プラへの取り組みは、負担に感じることがあるかもしれませんが、不便を感じることなく、楽しく脱プラに取り組める食べられる食器は、プラスチックフリーへ目を向け、意識を変えるきっかけにもなるかもしれません。(取材・撮影:映像舎/文:石川玲子 2021年11月取材)

丸繁製菓

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オリジナルで作成可能な食べられるトレーなどの製造・販売を行う碧南市の企業。食べられる食器は、要望にあわせて形、色も提案可能とのこと。お問い合わせは下記まで。

場所:愛知県碧南市雨池町2-25-3

電話:0566-43-4332

丸繁製菓 公式Webサイト

「シリーズ・未来へつなぐSDGsの輪」は、キャッチの番組でも放送中!

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番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ 未来へつなぐSDGsの輪」では、この地域で広がっているSDGsの取り組みをや、活動を紹介しています。

詳しくは、KATCH番組紹介ページ・特集「地域の今」をご覧ください。

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