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あの人

愛知県碧南市出身の妖怪書画家・蘭陵亭子梅さんに直撃!御朱印原画もカッコイイ!

「妖怪画」をご存じですか?漫画家の水木しげるさんをはじめ、実は多くの人が「妖怪」をモチーフに絵を描いています。古くは歌川国芳など、浮世絵師も妖怪を描いていました。蘭陵亭子梅(らんりょうていしばい)さんは、愛知県碧南市出身の妖怪画家。文字を書くことも得意としているため、「妖怪書画家」と名乗っています。

今回、碧南市の大浜てらまち地区にある10カ所のお寺の御朱印原画も担当したとの情報を聞きつけ、直撃インタビュー!創作のきっかけや妖怪画の魅力に迫ります。

京都を拠点に、地元碧南市をはじめ全国で活躍

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蘭陵亭子梅さんは、愛知県碧南市出身の妖怪書画家。結婚を機に、2014年から京都へと移り住みました。子どもの頃から絵を描くのが好きでしたが、妖怪に限らず、西洋のモンスターや妖精なども描いていたそうです。

もちろん妖怪を描くのも大好きで、「水木しげる先生の妖怪図鑑を見ながら、『きっといるんだろうなぁ』と想像しながら描いていました」と話します。その後も独自に絵の勉強をし、今は妖怪画や御朱印の原画を描いています。

浮世絵など古い時代から描かれていた妖怪画

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妖怪画には墨の濃淡だけで表現されたもの、着色されているものがあります。子どもの頃は単純に絵を描くことを楽しんでいましたが、筆の感触が好きだったことに加え、伊藤若冲をはじめとした「奇想の画家」と呼ばれる人々が脚光を浴びる時期も重なり、だんだんと浮世絵など日本画の世界に惹かれるように。

大学時代には漫画研究会で趣味として妖怪漫画を描いていましたが、ある時「コミケで売ってみない?」と誘われて、妖怪書画家としての活動が始まりました。

古い文献を読み漁り、妖怪の姿を想像

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ほぼ独学で絵の技術を習得してきた子梅さんですが、「実在しているかわからないもの」を描くという点で、他ジャンルの画家とは毛色が異なる勉強もしています。

それは、古い文献や絵巻、民俗学の本を図書館で探し、その土地に伝わっている妖怪の物語を細かく調べていくこと。「その妖怪はどんな話が元となって生まれたのか、昔の人がどんなことを感じたのか。その感覚を知ることが、妖怪を描くうえで大事だと思っています」と子梅さん。

丁寧に墨をするところからスタート

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作品制作をする様子を、間近で見せてもらいました。色紙を手に取り「龍を描きます」と言うと、さささっとラフスケッチを始める子梅さん。そして丁寧に墨をすると、まずは薄墨で描いていきます。

この時点ではまだはっきりとした輪郭線がないため、どんなふうに龍が描かれるのか、見ている私にはさっぱりわかりません。ですが、子梅さんの頭の中では龍が見えているようで、迷うことなく、しかし丁寧に筆を動かしていきます。

描き直しができない水墨画は偶然性の高い芸術

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段々と龍の姿が現れてきました。「龍と一言で言っても、いろいろな龍の絵が世の中には存在します。京都の天龍寺の天井画にある雲龍図は、初めて見た時『私には描けない』と思いました。運筆や滲み、余白の取り方など、すべてにおいて素晴らしいものでした。

京都にはそういった文化財が数多くあるので、創作活動の刺激になります」と子梅さん。「画竜点睛」という熟語があるように、龍の目は最後に描きます。目で画面が決まってしまうからだそうです。

お寺の御朱印原画も担当。どれもカッコイイ

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碧南市の大浜てらまち地区にある10カ所のお寺の御朱印原画を担当した子梅さん。

「寺院と妖怪って、実はつながりがあるところが多いんです。原画制作にあたっては、それぞれのご本尊や縁のあるものをモチーフとしました」と話す通り、例えば称名寺は家康公の幼名「竹千代」を命名したことを反映させていたり、大きなイチョウの木がある本伝寺はイチョウの葉を散らしてみたり。バラエティ豊かで見ていて楽しくなりますね。

自分のセンスを加えて個性ある妖怪画に

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特に気に入っているのは、扇子にもなっているこちらの作品です。墨のみで描かれているのが鵺(ぬえ)。猿の頭、タヌキの体、トラの手足を持ち、尻尾は蛇という妖怪です。着色されている作品は「百鬼夜行」。深夜に鬼や妖怪が街をねり歩く様を描いています。

どちらも多くの画家が手がけているモチーフですが、昔の手法に子梅さんなりの解釈を加えて描いています。「描きつくされている妖怪も、どこまで自分の感覚を加えられるのか、難しい部分でもありおもしろい部分でもあります」。

後世に残る絵が描けるようになる日を目指して

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子梅さんに、野望を聞いてみました。「お寺の天井画を描くのが夢ですね。でも究極のことを言うと、300年残る絵を描くことです。これは一生をかけても、できるかできないかわかりませんが、そこを目指して描き続けます」とのこと。

碧南には頻繁に帰省している子梅さんですが、段々と街の様子が移り変わっていくことも実感していて、「碧南に残っているものを絵として残すことで、碧南の良さを少しでも残すお手伝いができれば」と話してくれました。

蘭陵亭子梅

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1986年生まれ、愛知県碧南市出身。現在は京都在住。
会社勤めの傍ら、妖怪関連書籍の挿絵や御朱印原画など各方面で精力的に活動中。最近では「アラマタヒロシの日本全国妖怪マップ」にて表紙原画や中面の書き下ろし挿絵を担当。

Twitter:蘭陵亭子梅@怪作戦 妖怪書画家 檀家@ranryou
Pixiv:蘭陵亭@大作戦 ※イラストの投稿・閲覧ができるSNS
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