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特集

Vol.6「学びの場を守る!教育現場のウイルス対策最前線」シリーズ コロナ禍をこの地域で生きる

新型コロナウイルス感染拡大を受け、いま教育現場が揺れています。夏休みの短縮、時間割の変更、分散登校に消毒作業など感染リスクを抑え子どもたちをどう教育していけば良いのか・・・。

愛知県教育委員会が作成した「教育活動の再開に向けたガイドライン」では、登校前の検温や健康観察、マスクの着用や教室に入る前の手洗いなど、飛沫を飛ばさない工夫を学校へ求めています。子どもたちの学びの場を守るため、これまでにはなかった取り組みに苦悩し、奮闘する教育現場を取材しました。

愛知県ホームページ「学校における「新型コロナウイルス感染症」に関する対応について」

かつてない事態に直面する教育現場

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愛知県知立市の知立中学校で、学校生活での新型コロナウイルス対策の現状を見せてもらいました。

「コロナ前は、朝は生徒が昇降口で密集していましたが、現在は、密にならないように前の子が靴を履き替えてから次の子が行くというように気をつけています」と話す知立中学校の竹内生昌教諭。さらに、理科室や体育館などに移動するときは、これまでは男女一列ずつで、できるだけ間をあけずに移動していましたが、現在は一列で、ある程度間をあけて移動するというように変えているといいます。

生徒のアイデアも活かされる

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学校における新型コロナウイルス対策では、生徒たちからのアイデアも活かされています。「休憩時間になると生徒がトイレに来るのですが、いままではトイレ前に密集して待っている状態でした」と話す竹内教諭。

しかし、生徒から「よくない」という話が出てきて、待っている人はトイレ前の廊下に1mずつ離れ並ぶようにしたそうです。さらに生徒自ら、並ぶ場所を示すシールを床に貼ったといいます。教師も生徒もみんなで工夫しながら学校生活を過ごしているということです。

授業や学校生活における工夫

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教師の授業スタイルにも変化が。知立中学校の尾﨑淳一校長は「教師がなるべく話す機会を少なくできるよう、パソコンで画像を使い、視覚的な支援ができるようにしました。今は多くの教師が取り入れています」と話します。

また、知立中学校では学年集会などを行う際は事前に校長の許可を得て開催しているということです。全校集会の規模は、まだ十分な間隔が空けられないため実施できないということですが、一学年であれば対策が可能なことが分かったため、必要に応じて短時間で行うなど安全な方法で実施しています。

難しさが残る、合唱の練習

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できる部分が見えてきたものもあれば、やはり難しさが残るものもあります。音楽の授業では、合唱の練習をするのにも一苦労です。

生徒たちは4つのグループに分かれ、順番に音楽室で歌の練習をします。マスクを外し、一定の距離を空けながら窓の外に向かって歌うのです。次のグループは手洗い場で壁に向かっておとなしく待機。グループが入れ替わる前に、先生は手すりや窓など消毒を徹底します。音楽を指導する大前匠教諭は授業における新型コロナウイルスの対策について、教師同士で相談を重ねたといいます。

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その結果、音楽の授業では次のような決め事ができました。

1.歌うとき以外は喋らない
2.入室前、退室後は手洗い
3.先生からの指示がある時以外は窓を向いたまま
4.手すりに触らない
5.歌い終わったらマスクを着ける

「扇風機の配置、消毒などの対策を何度も話し合って決めた」と大前教諭は話します。

コロナ禍に子どもたちが感じること

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コロナ禍での学校生活を子どもたちはどのように感じているのでしょうか?生徒に聞いてみると、友達との距離をとるのが難しいという声が上がりました。「コロナがなかったら、友達同士いっぱい喋ったりして、もっとクラスの仲が良くなると思います。」「3密を避けての学級のレクリエーションは、すごく寂しいしのでコロナが終息して、はやくみんなと一緒に遊べたらいいなと思っています。」

また、友達の物や身体に触らないようにしているなど、生徒たち自身の工夫や努力の様子も聞き取れました。

現状を共有し、今後の対策に活かす

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定期的に開催される生徒指導部会では、学校全体や学年ごとに、現状の報告や今後の対策について話し合います。会議では、生徒たちが自主的に給食やトイレで並ぶ場所にテープをはって対策をとっている様子やお互いの距離を意識できるよう働きかけているなどの報告がありました。

一方で、教室の広さの問題から生徒同士の距離を取るのに限界を感じる声や、どうしても密になってしまう場所があることなどが報告され、対策のさらなる徹底が話し合われました。丹羽真由美教頭は、今後の対策について「家族が感染した際などの情報の伝達方法について、もう一回見直しをしていきたい」と語ります。

生徒の学びの場を守るために

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最後に、コロナ禍の学校生活について尾﨑校長にお話を伺いました。「学校って授業も大事ですが、やっぱり友達と関わりあうことで成長する子がとても多いと思うんです。しかし、マスクの着用徹底や、距離をとらなければならないなどがあり、新しい仲間と関わることができず、つらいという声はよく聞きます。だからこそ、関わりの場も守っていかなければならないと考えます。

今後は修学旅行や受験も控えていて、教育現場の悩みが尽きることはありません。それでも、生徒たちの安全を、そして学びの場を守るために、学校の奮闘は続きます。

(取材・撮影:モーション・ビジュアル・ジャパン/文:石川玲子/2020年8月取材)

「シリーズ・コロナ禍をこの地域で生きる」は、キャッチの番組でも放送中!

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番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ・ コロナ禍をこの地域で生きる」では、医療・教育、企業などに従事するこの地域の人々の声から、コロナ禍の時代をどう生きるのか、そのヒントを探ります。

詳しくは、KATCH番組紹介ページ・特集「地域の今」をご覧ください。

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