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特集

vol.17「感染症対策で強まる地域への思い 刈谷・トッププランニング」シリーズ コロナ禍をこの地域で生きる

インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念される2020年冬。そんななか、地域のために精力的に活動する企業があります。愛知県刈谷市にある婦人服の商社「トッププランニング」です。この会社がいま、普及させようと努力しているのが、オゾン発生器です。

2020年9月に藤田医科大学が発表した低濃度オゾンによる新型コロナの感染力抑制効果。トッププランニングが扱っているオゾン発生器は、この低濃度オゾンを活用し設置した部屋の除菌や脱臭を行います。今回は、地域に感染症対策をと動いているトッププランニングの姿を取材しました。

地域に活気を取り戻すために感染症対策を

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刈谷市で婦人服の販売やオリジナルギフトの製作など、幅広く手掛ける企業「トッププランニング」。創業30年の節目を迎えるなか、会長の杉浦世志朗さんは、2020年は大きな転機となった年だったと話します。「刈谷市観光協会の会長も務めているのですが、万燈祭や大名行列といった行事がすべて中止になってしまい、とても寂しいです。」

杉浦さんは、みんなが健康に暮らすことが賑わいを取り戻す第一歩だと考え、異業種であるにも関わらずある製品の代理販売を考えました。それが、低濃度オゾン発生器「エアクローバー」です。

オゾン発生器「エアクローバー」

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エアクローバーは人体に安全な低濃度のオゾンを空気中に発生させる機械です。内部にある2つの装置で発生させた低濃度のオゾンをファンで前方に送ることで部屋全体にオゾンが行き渡ります。

「はじめは疑問視していました。しかし、介護施設などでも導入されはじめているという話をきっかけに、実際に製品を確認し、感染症対策の一助になればと代理販売を始めました」と語る杉浦さん。エアクローバーの監修や取次ぎを手掛けている、東京都の三友商事によると、東京消防庁の車両や、全国600台以上の救急車にエアクローバーと同型の機種が搭載されているとのことです。

低濃度オゾンによる新型コロナの不活性化

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オゾンガスには多くの種類の菌やウイルスを分解、不活性化させる効果があり、新型コロナに対しても効果があることが明らかになっています。さらに2020年8月には、藤田医科大学が低濃度オゾンでも新型コロナウイルスを不活性化できることを発表しました。

藤田医科大学の村田貴之教授によると「湿度80%、日本の衛生基準の上限である0.1ppmのオゾンの環境下では、10時間でウイルスが4.6%にまで減少しました」と話します。つまり湿度80%であれば低濃度のオゾンでも約95%のウイルスが減少したことになります。村田教授は「低濃度オゾンの活用は、安全に新型コロナのリスクを減らすのに有効です」と話します。

感染症対策を模索する様々な施設

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研究でも実証されている低濃度オゾンの効果。杉浦さんは、この効果を活用した製品を地元に広めたいと考えています。

10月下旬、杉浦さんは刈谷市にある特別養護老人ホームにエアクローバーの納品のため訪れました。重さ1㎏で軽量。50畳の広さまで対応しているエアクローバーは、設置のための工事は必要ありません。さらに、簡単なボタン操作で利用できます。「高齢者は免疫力が低下しているため新型コロナが重症化しやすく、施設の職員も心配している」と杉浦さん。導入した特別養護老人ホームの職員は「コロナ患者が出ないよう、一歩踏み込んだ対策になればいいと思います」と語りました。

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続いて杉浦さんは注文のあったエアクローバーを納品するため、市内の歯科医院を訪れました。歯科医院の院長は「まず自分自身が健康にいることで、スタッフや患者に不安を与えないことが大切ですので、不安感を少しでも減らすために導入しました」と話します。

市内だけでなく近隣市の医療施設や介護施設などにも、導入を進めているという杉浦さんのなかには、地域の健康を支える医師が倒れたら大変だという思いがあります。今後は、近隣市のコミュニティバスや医療現場などでも導入が検討されているということです。

安全対策の見える化で活気を取り戻したい

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地域の産業を担う事業主たちが訪れる刈谷商工会議所にも、エアクローバーが導入されました。商工会議所の職員は、「コロナの影響で地域経済が縮小、疲弊しています。店などが感染症対策の見える化を図ることで、安心して経済活動が行え、売り上げをあげるための努力をすることができる」と話します。

今後、より様々な形で広がる感染症対策。そのひとつとして関心が高まっているオゾン発生器。杉浦さんは「地域の人が感染症対策に対して、強い関心を持って取り組んでくれることに驚いた。オゾン発生器をきっかけに、この地域からコロナで悲しむ人がいなくなるようにしたい」と、今後の意気込みを語りました。

(取材・撮影:映像舎/文:石川玲子 2020年10月取材)

オゾンの濃度と効果について(※編集部注釈)

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日本産業衛生学会は、作業環境基準としてのオゾン許容濃度を0.1ppmとしています。これは労働者が1日8時間、週40時間浴びた場合の計算です。

藤田医科大学の研究によるとウイルスの減少量は、湿度80%、オゾン許容濃度0.1ppmで95%、オゾン許容濃度0.05ppmで94%です。一方で湿度が55%の環境下ではオゾン許容濃度0.1ppmでのウイルスの減少量は68%でした。

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今回、取材の中ででてきた製品「エアクローバー」のオゾン発生最大量は50mg/hで、天井高2mと仮定した場合、有効スペースとされる50畳に対し0.1ppmを超えるオゾンを供給可能です。

しかし、これらの実験結果や数値は、密閉された実験室内の結果であり、室内の湿度や空気の出入りなどを考慮すると、必ずしも実験と同等の効果が保証できるものではなく、感染症に対し完璧な効果を保証するものではありません。

「シリーズ・コロナ禍をこの地域で生きる」は、キャッチの番組でも放送中!

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番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ・ コロナ禍をこの地域で生きる」では、医療・教育、企業などに従事するこの地域の人々の声から、コロナ禍の時代をどう生きるのか、そのヒントを探ります。

詳しくは、KATCH番組紹介ページ・特集「地域の今」をご覧ください。

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