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特集

Vol.35「苦境を生き抜く観光地。西尾市・吉良温泉コロナ禍の闘い -中編-」シリーズ コロナ禍をこの地域で生きる

日本経済を直撃した新型コロナウイルスの影響。特に観光、宿泊業は未曾有の大打撃を受ける事となり、経営が破綻した旅館、風前の灯火になっている旅館は全国に数多く存在します。

そんななか、愛知県西尾市にある「吉良温泉」も例に漏れず苦境に立たされています。「一度退いてしまった客足は戻らない」「なぜこんなに苦しまなきゃいけないのか......」悲鳴のような嘆きが聞こえるなか、コロナ禍を生き抜く吉良温泉の1年の取材を全3回に渡りお伝えします。

前編はこちら
Vol.34「苦境を生き抜く観光地。西尾市・吉良温泉コロナ禍の闘い-前編-」

ハワイアンフェスティバルの中止と新たな商機

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2020年7月30日。集客の命綱であった「ハワイアンフェスティバル」中止を決めた吉良温泉観光組合は、会合を開くもイベントの中止に落胆していました。

そんな中、創業から34年を迎える新鮮料理の宿「たか島」の二代目・糟谷克則さんから提案の声が上がりました。旅行会社と連携し、GoToトラベルキャンペーンを活用する宿泊希望者に吉良温泉の旅館を予約しやすくできればというアイデアでした。吉良温泉の宿泊客の多くは年配の方が多いため、複雑な手続きを簡単にし、予約を増やしたいという考えです。

コロナ収束後にも来たいと思ってもらうために

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「使えるものはなんでも使って、集客に繋げたい」と話す糟谷さん。新型コロナ感染拡大後、糟谷さんが営む旅館も宿泊客が激減していました。そんななか活路を見出すために土日祝日限定のランチを始め、お昼時はランチを求める客で賑わいをみせていますが、糟谷さんから安堵の表情は見られません。

「経営は本当に苦しいです。旅館は開けないと傷むだけですし。お客さんにコロナ収束後、また来ようと思ってもらうためにやっています...」と語ります。 それでも糟谷さんは前を向きます。「逃げることは簡単ですが、お客さんが『来てよかった』と笑顔を見せてくれるのが嬉しい。そのためにやっています」と。

「新鮮料理の宿『たか島』」ホームページ

GoToトラベルで客足が戻るも忍び寄る第3波

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2020年11月。吉良温泉に変化がありました。吉良温泉観光組合長を務める山本裕充さんが経営する吉良観光ホテルでは週末を温泉で過ごそうというお客さんで賑わっていました。集客を支えているのは、GoToトラベルをはじめとする国や県のキャンペーンです。旅館には人が集まり活気が蘇る、ようやく吉良温泉が息を吹き返しはじめました。

しかし、山本さんは活気が戻りつつある一方で不安を感じていました。「いまのところ、例年に比べ50%近くお客さんが入っていますが...第3波も懸念しています。また、国や県の施策が終わったあとに、どう客足を繋げていくかも課題です。

「吉良かん(吉良観光ホテル)」ホームページ

原点に立ち返り吉良温泉の魅力を再発信

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国や県の施策だけに頼らずに、吉良温泉に観光客を呼び込むために何ができるのか?様々な不安が残るなか、山本さんは動きました。

2020年11月17日、吉良温泉観光組合は報道関係者を呼んで記者会見を行いました。会見では、隣町である西尾市一色町の名産「うなぎ」の販売店と協力し、大掛かりなPR活動を行うことが発表されました。それは吉良温泉、そして地元の魅力を再発信するという、原点に立ち返ったものでした。

「西尾市は様々な魅力を持っている地域ですので、一色のうなぎなど、この地域の名産や文化などと温泉街でコラボして、吉良温泉の魅力を発信していきたいです」と山本さんは語ります。

いまこそ吉良温泉の魅力を知ってもらう努力を

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さらに今後の展望について、「会見をきっかけにお客さんが一気に増えるということは期待していません。ただまずは『こんな素敵な場所があるんだ』と知ってもらうことが大事だと考えます。GoToトラベルが終わったあと、さらにはコロナ収束後もお客さんに来てもらうために、まずは地元の魅力発信です。うつむきそうになるけど、うつむいちゃうと何もできなくなっちゃうから......」

こうして地元の魅力発信に動き出した吉良温泉観光組合。新型コロナの影響に翻弄された2020年の年の瀬、来年こそよい年になってほしい...誰もがそう願っていました。(後編に続く)(取材・撮影:シークラウド映像舎/文:石川玲子/2020年取材)

Vol.34「苦境を生き抜く観光地。西尾市・吉良温泉コロナ禍の闘い-前編-」

新鮮料理の宿「たか島」

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目の前に広がる穏やかな三河湾の眺望と新鮮な海の幸が味わえる高台の宿。土日祝限定のランチもあります。

場所:愛知県西尾市吉良町宮崎東甚作25-1

電話:0563-32-1682

「新鮮料理の宿『たか島』」ホームページ

吉良かん(吉良観光ホテル)

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三河湾沿岸を中心とする三河湾国定公園内、吉良温泉郷の高台に位置する吉良観光ホテル。周辺の自然を満喫することができ、三河湾が見渡せる景観が自慢の宿。

場所:愛知県西尾市吉良町宮崎田ノ上15

電話:0563-32-1181

「吉良かん(吉良観光ホテル)」ホームページ

「シリーズ・コロナ禍をこの地域で生きる」は、キャッチの番組でも放送中!

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番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ・ コロナ禍をこの地域で生きる」では、医療・教育、企業などに従事するこの地域の人々の声から、コロナ禍の時代をどう生きるのか、そのヒントを探ります。

詳しくは、KATCH番組紹介ページ・特集「地域の今」をご覧ください。

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