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特集

Vol.42「個人経営を強みに。逆境と闘うクリーニングのミヤコ(知立市)」シリーズ コロナ禍をこの地域で生きる

テレワークの増加や、冠婚葬祭の減少によりワイシャツやスーツなどを着る機会が減り、受注が大きく落ち込んでいるクリーニング業界。そんななか、この逆境と闘い地域の信頼を勝ち得ている知立市のクリーニング店があります。

今回は、個人経営を強みに地域のニーズに合わせた営業を展開する知立市の「クリーニングのミヤコ」に注目します。

個人経営のクリーニング店には厳しい時代

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知立市にあるクリーニングのミヤコは、1983年に知立市弘法町で創業し、2017年に谷田町へ移転、現在は岩瀬博司さんと誠司さんの双子の兄弟が父親から経営を引き継ぎ、店を切り盛りしています。

コロナ禍で進んだテレワークや、冠婚葬祭の減少により受注が減っているクリーニング業界。長男の博司さんはコロナ前からクリーニング業界に危機感を感じていたといいます。

「知立市にはかつて個人経営のクリーニング店は8軒ありました。でも今は、私たちを含め2軒しかありません。そう考えると、難しい商売なのかもしれません。」

コロナ禍で業界全体の8割が減収

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帝国データバンクが2021年2月に発表したデータによると、コロナ前の2019年度クリーニング店の収入高を規模別に比較すると、大手業者は約31%増収しているのに対し、個人事業主を含めた小規模業者は6%強にとどまるなど、個人経営のクリーニング店はそもそも苦戦を強いられていました。

さらに新型コロナの影響が出始めると、2020年6月から2021年9月に決算を迎えた個人経営を含む全国のクリーニング業者432社の内、全体の8割以上が減収と答えていて、個人経営のクリーニング業者にとっては、より厳しい状況が続いています。

帝国データバンク「クリーニング業者1,833社の経営実態調査」

直接顧客を訪問する「外交」を大切に。

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苦戦を強いられる個人経営のクリーニング業者ですが、そんななかミヤコでは個人経営であることを強みに営業を続けています。その一つが「外交」と呼ぶ、直接顧客を訪問する営業スタイルです。

定休日の日曜以外は朝8時から夜8時まで家族4人で営業するミヤコでは、午後になると弟の誠司さんが営業に出かけます。営業で向かうのは市内の事業者や一般家庭です。直接顧客のもとへ訪問することで、依頼を受けたり、仕上がった品物を届けたりしていきます。利用者に話を聞くと「移動手段がなく困っていましたが、こうして来てくれるので助かっています」と話してくれました。

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また一般家庭だけでなく、コロナ禍で白衣などの洗濯需要が高まった医療機関も訪問します。医療機関側も、ミヤコならまとめて請け負ってくれると信頼を寄せているといいます。その他にも市内のビジネスホテルなどと提携し、ルームサービスとして宿泊客からのクリーニング依頼も受け付けているそうです。

こうした営業について誠司さんは「ホテルの宿泊客からの依頼は、その日中にクリーニングをして、お渡ししないといけないので、かなり慌ただしいです。それでも、こうした仕事は大手クリーニングチェーンではできません。個人経営の私たちだからできる強みです」と語ります。

丁寧な作業で地域からの信頼を

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もう一つミヤコの強みとなっているのが「衣類のシミ抜き」です。取材したこの日も博司さんは、子どもが油性ペンでいたずら書きしてしまったという洋服と格闘していました。

さまざまな溶剤を使いシミの原因物質を探り、溶剤の上から水や油を吹き付けて、シミを取り除いていきます。頑固な汚れも、何度も洗濯したり、溶剤をつけて放置したりして、最も適したシミ抜き方法を探すといいます。

この日作業していた子供服は半日かけてすっかりきれいになりました。こうした丁寧なシミ抜きも、ミヤコが地域から信頼を得ている理由です。

個人経営だからこそできる営業を強みに

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個人経営だからこそできることを強みに営業を続ける「クリーニングのミヤコ」。博司さんはこれからを生き抜いていくために次のように語ります。

「来店してもらわなければならない仕事では、来てもらえなければ仕事にならないという難しさがあります。だからこそ古臭いかもしれませんが、地域を訪問することでお客さんと顔を合わせ、一つひとつの作業を丁寧に行う。これからの時代はこうしたことがより大切になっていくのかなと思います。」

個人経営のクリーニング店の淘汰が進む昨今、ミヤコの取り組みに注目が集まる日は近いかもしれません。(取材・撮影:オフィスげんぞう/文:石川玲子/2021年6月取材)

クリーニングのミヤコ

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場所:愛知県知立市谷田町宝土26-2

TEL:0566-82-4895

営業時間:8:00~20:00

定休日:日曜・祝祭日

「シリーズ・コロナ禍をこの地域で生きる」は、キャッチの番組でも放送中!

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番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ・ コロナ禍をこの地域で生きる」では、医療・教育、企業などに従事するこの地域の人々の声から、コロナ禍の時代をどう生きるのか、そのヒントを探ります。

詳しくは、KATCH番組紹介ページ・特集「地域の今」をご覧ください。

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