micro_ichiranyou_dai2.jpg
特集

Vol.43「未来の技能実習生たちのために…。ARMSのオンライン日本語教育」 シリーズ コロナ禍をこの地域で生きる

2020年からの新型コロナの感染拡大によって、外国人技能実習生の入国数が減少に転じています。技能実習終了後、日本で働き続ける外国人も多くいるため、このままいけば日本の人材にも影響が出て、深刻な人材不足に陥ってしまいます。

こうした中、技能実習生の研修センターが刈谷市にあるARMS株式会社では、アフターコロナを見据え、独自に作成した日本語のオンライン教材の配信やオンライン授業など実習生たちのために様々な取り組みを行っています。今回は外国人技能実習生の教育に力を入れるARMS株式会社に注目します。

外国人技能実習制度は国際貢献のひとつ

feature43_01.jpg

外国人技能実習制度とは、開発途上国の若者たちに日本で技能を身に着け、帰国後、母国の経済発展に活かしてもらおうという国際貢献のひとつです。実習期間は最長で5年。2021年8月現在、日本では主に16か国から技能実習生を受け入れていて、農業や漁業、建築などの分野のうち85職種156の作業で技能実習が行われています。

技能実習生は、母国の送り出し機関で募集、選考、日本語教育などを受け、日本に入国。そして多くの実習生を非営利の監理団体が受け入れ、企業へ橋渡しをします。

入国できない技能実習生

feature43_02.jpg

外国人技能実習生の監理団体もあり、刈谷市に研修センターを設けている ARMS株式会社では、企業に配属後も実習生のアフターフォローを行うことで、実習生たちが最後まで適正な環境で実習できるように支援しています。しかし、一昨年まで多くの外国人技能実習生で賑わっていた研修室も、コロナの影響で静まり返っています。

ARMS株式会社の国際部・王文麗部長は現状について「2020年の3月から9月まで入国制限により技能実習生が入国できませんでした。9月以降一旦再開したものの2021年1月から再び入国制限がかかり、現在も続いている状態です。そのためどの国の実習生も入ってこられません」と話します。

増え始めたインド人技能実習生も...

feature43_03.jpg

2021年8月時点、日本で働く外国人技能実習生は約40万人。2017年10月にはインドの技能開発・起業促進省と日本の外務省ならびに厚生労働省が締結した技能実習制度開始の協力覚書に基づき、農業や建設、機械関係や介護などの職種でインド人の技能実習が可能となりました。

そして、ARMSは2018年5月にインド政府から日本で初めて「送出機関」としての認可を受け、現地からインドの若者を日本へ送り出す事業を行ってきました。しかし、王さんは「コロナ前は、インドで技能実習という制度が少しずつ理解されるようになってきたところでしたが、コロナの影響で大変な状態になってしまいました」と話します。

feature43_04.jpg

そこでARMSが始めたのが、オンラインを活用した取り組みです。インド国内の技能実習に興味のある若者たちにオリジナル教材を無料配信しました。これにより実習生が負担しなければならない語学学習などの費用を軽減し、長期的なニーズが高まるとされるインド人材の需要に応えることが狙いです。

実施にこれまでに作成した教材は350本以上。ひらがなや文法など日本語能力試験N5合格レベルの日本語を学ぶカリキュラムで、サイト登録すれば無料で見ることができます。「入国制限があってもインド国内で日本語を学んでもらい、今後インド人技能実習生が増えればと思います」と王さんは語ります。

コロナ後を見据えた人材育成を

feature43_05.jpg

またARMSでは、インド国内の大学を卒業し、日本で介護の技能実習が決まっているものの、入国制限でいまだ日本に来ることのできない若者たちに向けたオンライン授業も行っています。実際のオンライン授業を覗くと、今後日本へ来る予定の実習生たちが毎日8時間、リモートでの日本語の授業を受けていました。

「日本人は規則正しい、そこを学びたいです」、「日本で介護について学んだ後は、故郷で老人ホームを建てたいです」と希望を語る実習生。いまだ入国制限で入国の目途が立っていませんが、いまできることをと取り組むARMSの働きかけもあり、インド国内で日本語を学んでいます。

日本で学んだ技術を母国で役立ててほしい

feature43_06.jpg

外国人技能実習生が入国できない現在もコロナ後を見据え、積極的に人材育成に取り組んでいるARMS。今後について王さんは、「まずは入国できない実習生や、これから日本に実習生として来ようとしている若者たちを支援し、ゆくゆくは日本に来た技能実習生たちが日本で学び、技術を持ち帰り母国の役に立つような活躍をしてくれれば」と話します。

また、外国人技能実習生には、実習終了後日本で就職する道もあり、引き続き日本で働く人も多くいます。こうした取り組みが、いずれは日本の深刻な労働力不足を解決する貴重な外国人労働者の確保につながっていくのかもしれません。 (取材・撮影:映像舎/文:石川玲子/2021年6月取材)

ARMS株式会社

feature43_07.jpg

厚生労働省認定の職業訓練校として、主に新入社員教育、外国人集合研修、フォークリフト等の資格取得講習、日本語学校、助成金制度等を利用した各種教育・訓練・研修を主な事業とする会社。

ARMS研修センター
場所:愛知県刈谷市一里山町上流5番地3
TEL:0566-70-7506

「シリーズ・コロナ禍をこの地域で生きる」は、キャッチの番組でも放送中!

feature01_06.jpg

番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ・ コロナ禍をこの地域で生きる」では、医療・教育、企業などに従事するこの地域の人々の声から、コロナ禍の時代をどう生きるのか、そのヒントを探ります。

詳しくは、KATCH番組紹介ページ・特集「地域の今」をご覧ください。

関連記事