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特集

ガス燃焼式から電気加熱へ!安城・メトロ電気工業|シリーズ 未来へつなぐSDGsの輪 Vol.4

電源を入れ、わずか数秒で最高温度に達し、さらに消費電力を低く抑えられると、注目を集める製品があります。それが、安城市に本社を置くメトロ電気工業が開発したオレンジヒートです。

2021年には、環境省が気候変動対策で功績のあった個人や団体に贈る「気候変動アクション大賞」を受賞したこの製品。今回はものづくりの現場や食品加工の現場をはじめ、家庭用の暖房機器や調理器具で幅広く利用されるオレンジヒートの人気の秘密に迫ります。

高効率・高出力のオレンジヒート

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暖房機器をはじめ、生産現場で加熱に必要な熱源。ガスや石油といった化石燃料を使った場合、CO2などの温室効果ガスが排出されるという問題があります。

その問題の解決に注目を集めているのが、最高温度2000℃まで出力可能で、様々な加工工程に対応できる、赤外線カーボンランプヒーター「オレンジヒート」です。 これまで短時間で高温にするためにはバーナーによるガス燃焼方式が一般的に用いられてきました。

しかし、このオレンジヒートは、電気を用い短時間・高出力の加熱を可能とし、様々な形に加工できるため、ものづくりの現場から暖房機器、調理器具など幅広い分野で活用が始まっています。

オレンジヒートを開発したメトロ電気工業

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このオレンジヒートを開発したのが、安城市横山町に本社を置くメトロ電気工業です。1951年に設立し、2021年には70周年を迎えました。かつて電球を製造していたメトロ電気工業は、1963年に暖房用の赤外線電球の量産化に成功すると、以来、こたつの熱源として広く利用されたランプの製造を行ってきました。

しかし近年、LEDがランプに取って代わる時代を迎えるなかで、電気加熱による熱源に可能性を見出し、オレンジヒートの開発をはじめたといいます。

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技術畑出身で、いまでも現場で開発を指揮することもあるという、メトロ電気工業の川合誠治社長に開発の経緯を伺うと、「元々当社は、こたつ用のランプや、電子レンジの庫内灯などを生産していました。カーボンヒーターも電気ストーブの熱源として利用してもらうつもりでしたが、カーボンヒーターを開発する中で、産業用としても使えるのではないかと考え、オレンジヒートが完成しました。

従来、高熱を必要とする工場ではガスや石油を燃やして加熱していました。しかし電熱を使えば、CO2の排出を抑えられる上に、安全性が向上し、均一な加熱ができるなどのメリットがあります」と、話してくれました。

オレンジヒートの仕組みとは?

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ガラス管内部のフィラメントに電気が流れることで発熱する仕組みだという、メトロ電気工業のオレンジヒート。これは白熱電球が光る際、熱を持つのと同じ原理です。

第一技術課の倉田征治さんに、オレンジヒートについて伺うと、「オレンジヒートとはカーボンランプヒーターですので、フィラメントがカーボンでできています。カーボンは赤外線の放射率が非常に高い物質で、電気を流して発熱をはじめると多くの赤外線を発し、周囲をあたためてくれます」と話してくれました。

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実際に取材班が、オレンジヒートを使用した工場用暖房器の能力を、サーモグラフィカメラを使って計測しました。暖房機から1.2メートル離れた場所に人が立ち、身体の表面温度を計測すると、実験開始時には26度だった身体の表面温度は3分足らずで40度まで上昇しました。

一方、暖房器自体の温度変化をみてみると、筐体表面の温度には変化がありません。 さらにオレンジヒートは、構造が非常にシンプルで、カーボンを加工したフィラメントがしなやかな点も特徴です。そのため用途に応じて様々な形に加工でき、ガラス管は膨張しにくい石英ガラスを使用しているため、加熱中に水がかかっても割れたりしません。

様々な加熱機器を開発

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メトロ電気工業では現在、調理機器や、工場などで使用する金型加熱機器などオレンジヒートを組み込んだ様々な加熱機器を開発しています。その一つが電気炉です。

開発に携わる第二技術課の吉原寛美さんは、「自動車部品の熱処理の加熱工程や窯業、陶芸用の加熱炉、瓦の釉薬を加熱する炉などに使えないかと考えています。ヒーターが非常にハイパワーなのが特徴で、温度調整はタッチパネルで操作できます。これにより生産の効率化が期待できると思います」と紹介してくれました。

環境負荷物質ゼロを目指し

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ガス燃焼式から電気加熱へ。オレンジヒートは従来のガス加熱から転換することで、CO2排出量を大幅に削減し、燃焼に伴う環境負荷物質をゼロにすることが可能となります。

2021年には環境省が気候変動対策で功績のあった個人や団体に贈る「気候変動アクション大賞」を受賞し注目を集めるなか、今後の展望について川合社長は、「石油やガスを使わずに温度を上げるには、電熱しかないと思います。そのためにも、オレンジヒートを使った応用商品を幅広く開発していきたいです」と話します。

各種産業分野における「加熱工程」に大きな変化をもたらしたメトロ電気工業のオレンジヒート。今後の展開に注目です。 (取材・撮影:オフィスげんぞう/2021年12月取材)

メトロ電気工業

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光源と熱源の専門メーカー。こたつ用ヒーターユニットなどを製造・販売。同社が開発した赤外線カーボンランプヒーター「オレンジヒート」は2021年に「気候変動アクション大賞」を受賞。

場所:愛知県安城市横山町寺田11-1

電話:0566-75-8811

メトロ電気工業 公式Webサイト

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番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ 未来へつなぐSDGsの輪」では、この地域で広がっているSDGsの取り組みをや、活動を紹介しています。

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