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特集

Vol.59「コロナに負けない国際交流」シリーズ コロナ禍をこの地域で生きる

2021年11月、オミクロン株の出現で外国人の新規入国を原則停止した日本。第6波の新型コロナウイルス感染拡大が学生たちに大きな影を落としていました。愛知県刈谷市にある愛知教育大学では、毎年様々な国の学生が学び、日本人学生も海外へ留学しています。しかし、第6波の影響で来日予定だった留学生が入国できない、日本人学生が留学に行けない、といった状況が長期にわたって続いています。

今回はコロナ禍で海外へ行けなくても学びを続ける学生たちの姿を追いました。

新規入国停止の継続で、留学生は激減

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愛知県刈谷市にある愛知教育大学では、現在36人の留学生が学んでいます。しかし、コロナ前は約60人の留学生がいたということで、現在はその半分近くになってしまっているとのこと。

国際企画課の稲垣匡人さんは、この第6波の影響について「オミクロンが流行る前までは入国の審査がゆるくなるのではないかという予測があり、国費留学の学生から徐々に入って来られるようになるのでは、と考えていたところにオミクロン株が来て全てが白紙に戻ってしまいました。当校だけでなく他の大学も混乱しているのではないでしょうか」と説明してくれました。

新型コロナが留学生に落とす影

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コロナ禍で留学の計画を変更せざるを得なかった学生に、まず率直な思いを聞きました。中国出身の瞿懐昊(ク・カイコウ)さんは「日本にいけないと聞いた時はがっかりしました。用意していたものが全て役にたたなくなってしまった」と話します。

また、イギリスに留学を予定していた日本人学生の小井万澄さんは「ショックでしたね。大袈裟な言い方ですけど、自分の人生をちょっと狂わされたような感覚になります」と、肩を落とします。

こうした現状に国際企画課の稲垣さんも「なかには入管での手続きも済み、あと一歩のところまで来たにも関わらず入国停止になってしまった」と、残念そうです。

オンラインで指導を受ける学生も

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こうした現状に対して、いま愛知教育大学が行っているのがオンライン指導です。まだ愛知教育大学に来ることができない、外国人留学生たちに対して講義にオンラインで参加できるようにしています。

この日行われていた絵画の講義では、コロナ禍でいまだ日本に留学できていない中国出身の瞿懐昊(ク・カイコウ)さんがオンラインで参加していました。講義を受けながら、タブレット越しに他の学生たちと交流しています。「教授の授業は専門的なものが多く、自分の美術の実力を高めてくれるものが多いです」と瞿さん。できるだけ早く日本に留学し、修士試験に合格することが目標だと教えてくれました。

留学を希望する日本人学生も...

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辛い思いをしているのは外国人留学生だけではありません。留学を希望する日本人学生も、先が見えない状況に不安を抱えています。

4年生の柴田美空さんは現在の状況について「行きたい国が決まっていても、コロナで入国できなかったり、入国後は2週間の隔離が必要なため短期留学が難しかったりと、自分の行きたい国に行けなくて他の国を探す学生も多く、見ていて大変そうです」と教えてくれました。

学内での国際交流で新たな可能性を

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一方で、学内での国際交流に力を入れる学生も増えているといいます。2年生の井埜泰志さんはチューターとして、インドネシア出身の留学生のサポートを行っています。

「留学生と交流することで、日本人とは違った考え方に触れることができ、時々英語で喋ることで僕の英語力の向上にもつながります。工夫次第では学内留学みたいな経験ができることをコロナ禍で学びました」と、海外留学に行くことができない現状の中でも前を向きます。

海外にいる留学生ともオンラインでつながる

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また、4年生の小井万澄さんは、オンラインの国際交流イベントを開催。中国など海外にいる学生らとオンライン交流を行いました。

イベントを終えた小井さんは、「世界に目を向けた方が自分の視野が広がるし、国が違うと価値観も違うということを、コミュニケーションを通じて感じることができます。たとえ日本にいても、他国の人と交流することは非常に意義があります。何よりも元気がもらえて、それが大きな活力になるんです」と、いまできることを行う大切さを話してくれました。

コロナ禍でも成長をあきらめない

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コロナ禍で思うように留学ができないなか、海外の学生も、日本人学生も、諦めず前を向き、いまできる国際交流を行っています。

「自分がオープンになっていくところが国際交流の醍醐味じゃないかなと思います。環境が変われば大きく人間って成長すると思うので、学生たちが成長するように、私たちもいま何ができるかを考え、行動することを大事にしていきたいですね」と、国際企画課の稲垣さん。コロナ禍でも負けじと、国際交流する方法を模索している学生たちが得た経験は、きっとこれから世界へ羽ばたいていくときの糧になることでしょう。(取材・撮影:ビデオハウス/文:石川玲子/2022年1月取材)

愛知教育大学

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場所:刈谷市井ケ谷町広沢1

愛知教育大学ホームページ

「シリーズ・コロナ禍をこの地域で生きる」は、キャッチの番組でも放送中!

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番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ コロナ禍をこの地域で生きる」では、医療・教育・企業などに従事するこの地域の人々の声から、コロナ禍の時代をどう生きるのか、そのヒントを探ります。

詳しくは、KATCH番組紹介ページ・特集「地域の今」をご覧ください。

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