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あれこれ

愛知県高浜市にドン!と佇む「どでか遺産」に隠されたヒミツとは!?

「でかっ!」と思わず声が出てしまうほど巨大な建造物。誰しも一度は、どこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。そんな「どでか遺産」をたどるコラム第1弾では、愛知県高浜市と西尾市に佇む2つの建造物を紹介しました。なぜここに?いつから?誰が造り上げたのだろう?とても気になりますよね。

第2弾の今回は、高浜市にある「大タヌキ」と「巨大鬼瓦」へ向かいました。その誕生秘話について知る人物に、ライターの壁谷が取材を敢行!地元の人にとっては日常に溶け込んでいる建造物にも、隠されたヒミツがあったのです。知ればきっと見る目が変わるはず!

花木が豊かな公園にタヌキ現る!

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まず向かったのは、名鉄三河線の三河高浜駅から歩いて10分ほどの「大山緑地」。

3月から4月にかけては、園内の至るところに桜が咲き乱れ"大山千本桜"としても知られる桜の名所です。そして初夏には、美しい藤の花が姿を現します。

華麗に垂れ下がる藤の花を見つめ、胸を躍らせながら歩いていると...小高い場所に佇む大きなタヌキを発見!口が半開きで何とも言えない哀愁漂う表情を浮かべています。

さっそく大タヌキに接近!

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「大タヌキ」と呼ばれるこちら。近寄るとさらにその大きさに驚かされます。

調べてみると、タヌキの焼き物には「八相縁喜(はっそうえんぎ)」と呼ばれる8つの縁起が表されているそう。ふっくらとしたお腹には"落ち着きと大胆さを持ち合わせられるように"、大きな目には、"何事にも気を配れるように"など8つの場所にそれぞれ意味があるのです。

そんな「大タヌキ」について、鬼瓦や屋根瓦などを手掛ける株式会社鬼長の社長・浅井和美さんに話を伺いました。

職人の巧みな技術の集大成

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制作したのは、浅井さんの曽祖父である浅井長之助氏。前回の『愛知県西三河「どでか遺産」に行ってみた!その正体が明らかに...』で取材した「衣浦観音」の制作者でもあります。

昭和39年に市民の幸せを願い建立。下水道に用いられる"土管"と同じ素材で造られているのだとか。

「窯で焼けるサイズに切り分けて造っています。それぞれのパーツがピタリと合体するように、乾かすときに変形する"縮み"と"ねじれ"も計算して制作しているんです」と浅井さん。その卓越した技術に脱帽です!

半開きの口に隠されたヒミツ

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大タヌキの口がなぜ半開きなのか、気になるところですよね。浅井さんに聞いてみると、口の中にスピーカーを入れて、地域住民に交通安全などの声掛けをしたかったのだそう。しかし、残念ながら大人の事情でその計画は叶わず...。苦労の末、造り上げた大タヌキのノスタルジックな表情は、何とも言えません。

町のシンボルになるよう、制作に奮闘した浅井氏の話に、胸が熱くなりました。ぜひ、ぐるりと一周見渡してその凄さを体感してみてほしいです。

アクセスマップ

大山緑地「大タヌキ」:愛知県高浜市春日町2-1-1

駅前に鎮座する巨大鬼瓦にびっくり!

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次に訪れたのは、名鉄三河線・高浜港駅の目と鼻の先にある「高浜ニコニコ鬼広場」。

"ニコニコ"とは程遠い強面に思わず後ずさり...。とはいえ、素通りせずにはいられない出で立ちなので、恐る恐る近づいて確かめてみることに...!

青々とした優しい芝生と、キレ気味の表情とのコントラストが、一層シュールさを引き立てています。

ドッシリと構える古代鬼面

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横に並ぶとその迫力をまざまざと感じます。

鬼瓦は古くから寺院や城郭、一般家屋の瓦屋根に設置され、魔除け・厄除けとして人々に親しまれてきました。鬼瓦の種類は鬼の形相をした鬼面のほか、七福神の大黒様や打出の小槌を模ったものなどさまざま。中でも古代鬼面は奈良時代以前に造り出され、鬼瓦の元祖と言われています。

高浜ニコニコ鬼広場に据えられた鬼瓦は縦4.5m、横4.2m。古代鬼面の中では日本一の大きさなんだとか!

東大寺転害門を参考に地元鬼師が制作

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「父親とともに2人で造り上げました」そう話すのは、鬼瓦を造る株式会社丸市の社長・加藤佳敬さん。

奈良県にある「東大寺転害門」の屋根の鬼瓦をモデルに、先代の加藤元彦さんと平成7年頃から制作を開始。約1年半の制作期間を経て、市に寄贈したのだそう。

57つに分割して制作したという古代鬼面。「パーツを並べる際に、ポイントとなる目を均等に造り上げなくてはならないので試行錯誤しました」と加藤さん。

あなたなりの渾身の1枚を!

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加藤さんは最後に「瓦に触って、瓦を身近に感じてもらえたら嬉しいです」と真摯に話してくれました。地域の人々にとっては馴染み深い建造物にも、市民のために力を尽くした職人たちの思いがしっかりと込められています。

そんな「どでか遺産」の前で、トリックアート風の写真をぱしゃり。眉毛をつまんでみたり、食べられてみたり...。思い思いの写真を撮影して楽しんでみてはいかがでしょう!(取材:壁谷雪乃)

アクセスマップ

高浜港駅前 高浜ニコニコ鬼広場「巨大鬼瓦」:愛知県高浜市青木町6-6-14

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愛知県西三河のシュールな遺産を探す旅はまだまだ続きます。リクエストも受付中!

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