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あれこれ

驚愕!ハリウッド映画が近所で撮影されていたので行ってみた

映画館で見ることはあっても、出演するなんて夢にも思わない「ハリウッド映画」。なんとその撮影が、愛知県知立市で行なわれることに!撮影されるのは、知立まつりでもおなじみの人形浄瑠璃「知立山車文楽」。2019年秋頃、全米公開を予定しているダーク・ファンタジー映画「BASHIRA」のワンシーン。

来日した登場人物が日本のお祭りを見る場面の撮影が、2018年10月上旬、パティオ池鯉鮒で行なわれ、私たちも撮影現場に潜入。そもそも、なぜ知立の山車文楽がハリウッド映画に出演?どんな人たちが撮影に参加?などなど、撮影現場の雰囲気とともに余すところなく伝えちゃいます!

世界に誇る知立山車文楽とは?

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知立山車文楽は、浄瑠璃にあわせて3人で1つの人形を操る人形浄瑠璃の文楽を、山車の上で演じる伝統芸能。文楽は日本各地にあるのですが、山車を舞台として使うのは全国でも知立市だけなんだとか。

ユネスコ無形文化遺産にも登録されていて、知立まつりでは、山町・中新町・本町・宝町・西町の5台の山車の上で文楽やからくり人形などの演目を上演。今回のハリウッド映画では、「日高川入相花王」という有名な演目を、山町人形連が上演。山伏の「安珍」に恋をした「清姫」が執念のあまり大蛇に変わるという場面が取り上げられるんだそう!

「ハリウッド」の撮影現場へ潜入!

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午前10時、近所のはなし取材陣がパティオ池鯉鮒に到着すると、撮影準備の真っ最中!山車の周りに映像合成用のグリーンの布を広げている、名古屋の照明部から集結したグリーンバック班。撮影に向けてリハーサルに熱が入る知立山車文楽出演者のみなさん。私たちと同じく取材に来た報道陣。撮影はまだ先ですが、現場はすでに始動して熱を帯びはじめていました!

そんな中、今回の撮影を知立市に呼び込んだキーパーソンの1人、知立山車文楽保存会・山町人形連の三浦康司会長がインタビューに答えてくれました。

知立山車文楽に映画独自の演出も!

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映画出演を決めたときのことを聞くと、「お話をいただいたときは、うれしかったですね。ハリウッド映画に出演することは、ユネスコにも登録された知立の山車文楽を世界中に知ってもらうまたとない機会。早く世界の人たちに知立の山車文楽を見てもらいたくてワクワクしています」。

なんでも、「女の人の執念が災いを起こす」というストーリーでの共通点があったという、映画『BASHIRA』と山町人形連が演じる演目。なんだか恐ろしそう...。さらに、伝統的な物語だけでなく、映画の要素を盛り込んだオリジナルのシーンも加えて演じるんだとか。

雑談が現実に!地元が結んだ縁

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続いて、映画制作スタッフに知立の山車文楽を推薦したコーディネーターの宍戸厚美さんにもお話を!彼女がいなければ、近所でハリウッド映画を撮影することも無かったんだと思うとまさにキセキ!?

「きっかけは、映画の脚本を担当していた日本人の原作者から、登場人物の台詞に方言をつける仕事を頼まれたことでした。台本をもらうと、祭りのシーンの中で文楽が出てきたんです。それが知立の山車文楽とそっくりだと感じ紹介したかたちですね」。最初、制作スタッフはCGを使うつもりで「撮影できたらいいね」という雑談レベルの話だったそうですが、知立の人たちがとても協力的で話が進み実現できたのだそうです。

ハリウッドスタッフが集結

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三浦さんと宍戸さんにお話を伺ったあと、お昼12時を過ぎると別の場所での撮影を終えたニクソン・フォン監督やキャスト、撮影班が続々と到着。同じころ、地元・知立市から応援にかけつけたエキストラのみなさんも集まってきて、現場が一気に活気づきます!撮影機材が並びだし、ハリウッドの映画スタッフが集結した光景を見ると「本当にハリウッドが来たんだ」と実感してきました!

エキストラのみなさんも、撮影機材が並ぶ現場を見て映画に出演する実感が湧いてきたのか、ソワソワした空気が...。

賑やかな現場が撮影の空気に変わる

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こちらが、BASHIRAの監督を務めるニクソン・フォン監督。「マトリックス」シリーズや「シュレック」の技術監督としても知られていて、2013年にはアカデミー賞・科学技術部門を受賞しているスゴい監督なんです!

真剣な眼差しで映像をチェックする監督のもと、雲のかかり具合や近くを通る新幹線の音など、細心の注意を払って撮影は進行。「本番!」の号令がかかるたび現場に緊張が走り、横で見ているだけで背筋が伸びちゃいました!

オンオフの切替えにプロの女優の凄さを見た!

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左がヒロイン・レラ役のミッツィ・アカハさん、右は日本に住むレラのいとこ・マヤを演じる祐真キキさん。エキストラのみなさんからの写真撮影の要望に応えたり談笑したりと、撮影前はリラックスムードだった2人が、カメラが回った途端に一転、迫真の演技を見せます。

2人が山車文楽を見ながら話すシーンの撮影は、遠くから見ていても真剣な表情、雰囲気が伝わってきます。これぞハリウッド女優さん。取材に来たことを忘れて、待機しているエキストラのみなさんと一緒になって2人の演技に見入ってしまっていました(笑)!

映画監督から見た知立山車文楽

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今回の撮影ではじめて知立の山車文楽に触れたニクソン・フォン監督。世界で活躍する名監督の目には、知立の伝統文化はどう映ったのか?気になったので聞いてきちゃいました!

「実際に文楽人形を見たとき、私にも知立山車文楽の歴史が伝わってきました。伝統あるものに情熱をそそぐ知立のみなさんが、映画のために真摯に練習を重ね、私たちの映画に対して熱心に参加してくれ、今までに無いことをお願いしても柔軟に対応してくれました。努力・忍耐・フレキシビリティ・パッションに本当に感謝しております」と、知立山車文楽のみなさんの協力的な姿勢に感動していましたよ!

世界と知立が力を合わせてつくる舞台

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撮影中、演出について監督と何度も話し合っていた知立山車文楽のみなさん。映画を通して知立山車文楽の魅力を知ってもらうために、最高の芝居を目指している姿が印象的でした。伝統芸能とハリウッド映画、お互いをリスペクトしあって作品ができあがっていく瞬間を肌で感じることができました!

この取材の前にも豊田市で他の場面を撮影したそう。そちらも合わせて、映画館で見られる日が待ちきれなくなっちゃいます!(取材:西等)

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