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特集

vol.19「苦境に立つタクシー業界で奮闘する西尾交通の今」シリーズ コロナ禍をこの地域で生きる

新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言やテレワークの導入など、外出する機会が減ったことにより、大打撃を受けたタクシー業界。コロナによって一変した新しい生活様式のなかで、これからの時代をタクシー業界はどのように向き合っていくのでしょうか?

厳しい経営環境でも乗務員の給料を保証し、感染症対策を行ないながら営業を続けている愛知県西尾市に本社を置く西尾交通の奮闘を取材しました。

売り上げ6割ダウン。苦しいタクシー業界

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西尾市内を中心にタクシーやバスの運行を行っている西尾交通。その歴史は古く、昭和35年に一色タクシーとして開業したのが始まりです。その後、西尾交通に名称変更し、事業を拡大してきました。

2020年4月からは西尾市の「六万石くるりんバス」の2路線に加えて、「いっちゃんバス」の運行を開始しました。しかし、その矢先に新型コロナ感染拡大による影響が出始めたのです。タクシー事業は、緊急事態宣言の影響もあり、4月には前年よりも売上が6割以上ダウン、苦境に立たされました。

コロナ感染拡大によるタクシー業界への影響

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西尾交通の大河内俊彦会長は、新型コロナ感染拡大の影響について「過去に経験のないような売り上げの減少になりました。緊急事態宣言時は、夜8時以降は飲食店が閉まっていたので、それに伴いタクシーの利用者がほとんどいないという状況になりました」と話します。

また、月脚康二社長は、「歩合制のタクシー乗務員の給与を保証するために、通常は売り上げが減ると給与も減ってしまうなか、西尾交通では乗務員の時給が最低賃金割れをしないよう補助した」といいます。

お客様に安心を。タクシー業界の変化

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新型コロナの影響は、乗務員の出発前の健康チェックにも変化をもたらしました。

これまでも乗務員は血圧検査、アルコール検査を必ず行っていました。そこに体温のチェックも増えたと月脚社長は言います。さらに西尾交通では乗車前には車内の消毒を行い、乗客にマスクの着用と手消毒を勧めています。そして乗客が降りたら再び消毒。車両の中には実験的に運転席と後部座席の間に仕切りを設置したものも用意しました。

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西尾交通でタクシー乗務員を務める尾﨑英志さんは、今年の4月、5月の様子を「町が死んだようでした。駅に電車が着いても、人が誰も降りてこず、普段は終電まで車を回していたのですが、車を回すこともできませんでした」と語ります。

また「地域には高齢者の方などタクシーを必要としてくださるお客様もいるため、毎回、西尾交通のタクシーを選んでくれるような、そんな応対をしていかなければと心がけています」と、危機に立ち向かう心意気を語ってくれました。

話題を提供し、町を盛り上げたい

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苦境に立たされたタクシー事業ですが、西尾交通はここで踏みとどまってはならないと考え、3台同時に車両の入れ替えを行うことを決意。西尾交通のイメージカラーとして、抹茶色に加え、水色とピンク、合計3台のタクシーが年内に導入される予定だといいます。

導入を決めた月脚社長は「塞いでいてもしょうがないです。今回の導入であらためてタクシーは黒という従来の概念を覆すような車両が話題にもなるでしょうし、私たちが動くことをきっかけに町も盛り上がってくれればという願いも込めています」と話してくれました。

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西尾交通をよく利用するという人にも話を聞くと、「派手な色も慣れたよ。この水色の車をみると月脚社長のタクシーだなと思うようになりました」と、西尾交通のイメージカラーのタクシーを歓迎している様子です。「運転手さんもいい人ばかりだし、西尾交通が大好きです」と笑顔で話してくれました。

今後も引き続き地域に根づいた事業展開を考えているという西尾交通。厳しい状況が続くなかでも、前を向き解決策を模索する日々は続きます。

(取材・撮影:モーション・ビジュアル・ジャパン/文:石川玲子 2020年11月取材)

西尾交通

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2020年、一色タクシーから社名変更し西尾交通に。西尾市内を中心にタクシー・貸切バスの配車・運行を行う。

場所:愛知県西尾市平坂町坂下7番地(本社)

電話:0563-65-2555(タクシーの依頼)/ 0563-65-2405(貸切バスの依頼)

西尾交通ホームページ

「シリーズ・コロナ禍をこの地域で生きる」は、キャッチの番組でも放送中!

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番組名:特集「地域の今」

地域で今起きていること、取り組み、人々の姿を深掘り。「シリーズ・ コロナ禍をこの地域で生きる」では、医療・教育、企業などに従事するこの地域の人々の声から、コロナ禍の時代をどう生きるのか、そのヒントを探ります。

詳しくは、KATCH番組紹介ページ・特集「地域の今」をご覧ください。

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